みずいろ

ジョジョ・ラビットのみずいろのレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.8
かっこつけたがりだけど優しくて臆病な10歳のドイツの男の子。当たり前にヒトラーにあこがれてユダヤ人を憎んでいたけれど、ある日自分の家でユダヤ人の女の子が匿われていたことを知り…。

もうジョジョの母の気持ちがわかりすぎて。まだ10歳なんだから戦争なんかに興味を持たずに普通に子供らしくて木から落ちたりしてほしい、そしていつか恋をするのよと語りかける。あれは、恋が絶望から息子を守ってくれることをわかっていたからだったのかと後半で気づいて、もうめちゃくちゃ泣いてしまった。
そして母は何度も、息子の靴紐をきつく結ぶ。大事なこの子が転びませんように、と。父親の仮装をして反抗的なジョジョをたしなめるシーンも良かったなぁ。

どんな状況でも必死に愛せば、愛はきちんと人を結びつける。ジョジョは恋をして、外に出る彼女の靴紐をきつく結んだ。今度は結ばれる側じゃなくて結ぶ側だ。愛する人が転びませんように。何が起きてもこのおまじないだけは奪えない。恋はステップを踏む、どんな世界でも。
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