加害も被害もひとまとめに優しさを振り撒く、戦争映画に愛をもたらした、なんて素敵な作品なのだろう「ジョジョ・ラビット」。
戦時中をナチス側の、そして子供の視点から描くことで人々の心の本質を観ることができました。
擬似父親的なイマジナリーフレンド「ヒトラー」と共にナチスを信じる少年の見た真実、誰よりも優しく勇敢で楽しい彼の母親は、憎きユダヤを匿っていました。
ツノが生えていて悪魔のように空を飛び子供を食べるユダヤ人、
密告すればママは処刑、放置すればユダヤに食べられる、ファンタジーを含む究極の選択を迫られたジョジョはヒトラーより心の優しさを信じ始めます。
コミカルに時に残酷に「真実」を描く本作は語り継ぐべき作品と感じました。
ユダヤ探しに家に来たのに、目の前にいるユダヤを同じ人種と勘違いするソ連軍。
訓練時に厳しかったのに、戦争に負け処刑される時ジョジョを逃がすキャプテンK。
被害者も加害者も、靴紐を結び間違えただけで本当は優しさで溢れている。
これが真実。世界は愛で出来ている。