折に触れては思い返し、選択時に心のよすがにしている。滑稽で力強く美しく、そして遣る瀬無い。眩いが苦しいので、思い返してはいるものの、映画館で一回しか見れていない。
戦争の"お祭り騒ぎ"な面を認めて、子供視点で描くことを徹底している。しかし観客は大人かつナチスの歴史を知っているので、色々と目に入ってしまう。見せられるのではなく、このように自ら発見するからこそ、ひどく焼き付くのだと思う。キャプテンKとフィンケルの晴れの衣装がピンク・トライアングルである皮肉と誇りに言葉をなくした。
全体的なマクロの流れを変えられないと誤魔化さず認めつつ、登場人物の手が届くミクロの範囲なら変えられること、そしてその変化がいつか全体に波及するという希望を信じさせてくれる余地がある。
今すぐに変わらないが、今この手でできることをする意味はあると信じてもいいような気になれる作品。