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ジョジョ・ラビットの苹果のレビュー・感想・評価

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)
4.0
コメディ(コメディとは言っていない)。

序盤からナチスの侵攻にビートルズの陽気な曲とか陽気な編集がされているそのギャップがめちゃくちゃ恐ろしくて、「とんでもない映画が始まったな」って思って一気に引き込まれました。

がその後のテンポ感というか、すげー重いことをサラッと言うブラックジョークが面白いみたいなギャグのノリがザ・アメリカって感じで全然乗れなくて、見ていてかなり苦しかったです。いやこれ笑ってる場合ちゃうよな……?みたいな。あとドイツ感が流石に無さすぎる。
序盤のノリ感としてはチャーリーとチョコレート工場に近い感じがしましたが、いや戦争と差別と虐殺の話だし……笑えんし……つらいし……苦しいし……。
「面白いで終わらせちゃいけない」ってことを言いたいのはもちろん伝わるんですけど、それにしても、ねえ?
まあ乗れるか乗れないかの問題なので、この辺は個人的な好みが大きいです。

子どもの無邪気な残酷さとかちっぽけなプライド良いですね〜、子どもってつい強がってこういうこと言っちゃうんですよね、愛とか恋とかバカらしいって思っちゃうんですよね。哀れで醜くて最高に可愛かったです。自分の加害に気付いた時、必死で取り繕うの可愛すぎる。もう遅いよ。

手紙、靴紐、兎、脱出、ダンス、小物や言葉の使い方がお見事で、脚本すげ〜〜って思いました。特に終盤に訪れる大きな試練の描き方がかなり良かったです。
がその試練を割とあっさり受け入れてしまっているように見え、乗り越え方や葛藤をもう少し描いて欲しかったなと思います。あと1時間あっても良い。
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