歴史への皮肉と未来への希望
犠牲の上に成り立つ幸福なんてたかが知れてる。
ノーランやイーストウッドが作ったならここまで色には拘らなかっただろう。
いやあの人達はこんな話作らないだろうけど。
衣装やセット、カメラの色が凄く優しく、鮮やかで好き。それでもはっきりくっきりな色では無く少しの埃っぽさを感じられる。
現実を見ているようで見ていない少年目線の戦争は手榴弾を手にしてナイフを携え、会ったこともないユダヤ人を殺戮の対象と認識して、その心は常に仮初の戦場にある。
そう生きる事を正義と洗脳したヒトラーが彼の友達でもなんら不思議はない。
キャッチコピーの「愛は最強」がしっかり描かれていて、その小さな身体には大き過ぎる現実の残酷さを大人である筈の観客に遠慮なくぶつけてくる。
こんな子を今後世界に産み落としてはいけない。瓦礫と流血の絶えない光景をいつもの風景と思わせてはいけない。
最後の踊るシーンで、世界はこうあるべきなんだと悟らせてくれる。守りたいモノすら守れない大人になるな、少年。
外はとっても危険なんだ。
追伸、サム・ロックウェルが超かっこいい