BON

トータリー・ファックト・アップのBONのレビュー・感想・評価

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90年代のアメリカを生きる同性愛者6人のティーンエイジャーたちの生身の姿を描いた15のエピソードから成る物語。

セックスやドラッグにまみれ、自由に生きながらも常に抑圧されフラストレーションを抱えて生きる若いホモセクシャルたち。鬱憤、葛藤、疎外感…、吹き溜まりに集う彼らのロスアンゼルス青春白書。

彼らの実生活、恋愛や人生観への対話をまるでインタビューのようにビデオカメラに映し出し、彼らの断片的エピソードが一直線に進んでいく。

真の愛を探し求めながらいつも裏切られ、暗澹たる人生観を持った主人公のアンディ。奔放なセックスライフを謳歌し、仲間をビデオに撮影するスティーブン。浮気なトミーと純情なデリックのゲイカップル。ミシェルとパトリシアのレズビアンカップル。

甘い言葉を囁くイアンと恋に落ちるアンディだったが、彼がモノガミーではないことを知り失恋…ある決断を最後に映画は終焉を迎える。

手持ちカメラのブレや粗悪な画質、豊かな色彩、ハイセンスで実験的な映像作りから炙り出される10代の絶望と友情。レズビアンに対する性的で酷いジョークを交えた会話などは苦笑い。

90年代、ティーンエイジャーのゲイたちの自殺が流行しているという背景の裏にある差別と偏見。グレッグ・アラキ自身もゲイである彼の作品はとても鮮明に若さと性を捉えた作品だった。
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