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名探偵コナン 紺青の拳のJIZEのレビュー・感想・評価

名探偵コナン 紺青の拳(2019年製作の映画)
3.7
先進国シンガポールのマリーナベイ・サンズを舞台に"月下の奇術師"怪盗キッドが狙う世界最大級の宝石"ブルーサファイア"をめぐりコナン一行の身に迫る巨悪な事件の全貌を描いたシリーズ第23弾‼︎冒頭で殺傷事件と爆破事案がほぼ同時に発生しどうコナン一味に接触させクロスオーバーさせるのか…ど頭からシリーズ初の大規模な海外が舞台ともあり前のめりに観ていた。まず今回は予告編のキービジュアルで見所ともなる怪盗キッド対400戦無敗の"蹴撃の貴公子"京極真が物語上のメインとなるテレビアニメの延長線上にあたるような題材と事前に高を括っていたためある程度は座組みサイドのシナリオかと想像していたが悪い意味で話の方向性がスカされた模様。全部を束ねて駄作ではないがキッドと京極の観たかった激突シーンはほぼ前半のみで終息していたのは期待してただけに残念に思う。また事件サイドの話も勘の鋭い人なら察しが付くよう冒頭でほぼ出オチ感が否めないためコナン一味が狙われる動機部分で偶然っぽさが相まってあまり信憑性がない。そして第2の殺人にあたる"she"のダイイングメッセージでも別の部屋で殺されてあの状態で意識を朦朧とさせずに正確に残せるのか。作品の後半がほぼ夜の野外アクション中心にコナン含めそれぞれが覚醒してやりたい放題に悪を退治するくだりも規定通りのテンプレが活かされふぁんは大喜びする内容でした。正直観ていてラストの来年の次回作の予告シーンが一番盛り上がった印象である。イフストーリー的に思うのが,怪盗キッドが泥臭く黒幕の罠にはまり挙げ句の果てに殺人の罪を背負い容疑者となるダークサイドの闇落ちシナリオでもうちょい頑張れなかったか。辛口意見を結構だしましたがシンガポールの壮大な画力で相対的に疑問が解消されていた気がした。最後に今回は主人公のコナンが"アーサー・ヒライ"としてある事情を抱えて色黒で活躍薄なのでキッドと京極ファンにはぜひお勧めです。
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