個人的にはあまり良い作品のように思えない。
新聞記者と内閣府の世論の火消し部署、閑職に追いやられた政府側の人間が触れ合う。
元上司の圧力による自殺をきっかけにタッグを組むのだが、どう考えても女性新聞記者が背負うものがなさすぎて張り合いがない。
リークに対する無責任さ、を如実に表現、皮肉的に表現しているかのように釣り合いが取れていない。
女性新聞記者が誤報で自殺した父の存在だけでは、「家族が居て、子どもが生まれたばかりで」というリーク者と全然釣り合いが取れていない。
そのアンバランスさが気になり、最後まで引きずってしまった。
リークの決意も妻の「パパが国を守ってくれる」という不誠実な姿に対する反逆だが、その意思表示に関してもチープでかつ、このありきたりな展開であれば、より描写を鋭く尖らせないといけないのだが、そうでもないので、何も訴えてくるものがなかった。
ベタな展開を表面だけさらって何も伝わってこない作品だった。
最後の「無念のメッセージ」だけで3.0である。こういう解釈を委ねる描写は素晴らしい、そして松坂桃李の演技、圧力に対する抑圧された感情・体制・不満感を上手く表現しているとは思った。彼はこの作品を支えている。彼という素材を100%活かしきれてない映画でとても残念だ。