コマミー

新聞記者のコマミーのレビュー・感想・評価

新聞記者(2019年製作の映画)
4.0
【羊を追った先】

※久々に、劇場で邦画を鑑賞しました。↓ ↓ ↓


まず宣言しよう…心打たれました! 
「ペンタゴン・ペーパー」覚えているだろうか。速達な感じで公開されたスピルバーグ監督の本作は、まさにこの作品のメッセージと通じる事が記されていたのだ。

   それは、[強大な隠蔽]だ

政界は何かと隠したがる。なぜか。それを発信するとしたら、国や自分の身分もおろか、世界の[混乱]も招くからだ。
ま、それは言い過ぎかとは思うが、世の中ではそうゆう事が起こっている。だが、隠蔽だけではすぐに怪しまれるので、何をするかと言うと、

    [改竄]だ。

それによって、[事実をねじ伏せ]、それでも上手くいかないなら、完全に隠す。

これは恐ろしいことだ。それによっては、他の人が[濡れ衣]を着させられたりする。
だが、そこに踏み込むのは[メディア]だ。[記者]だ。怪しければ、自分が堕ちるまで追求する。だが、時に[凶器]にもなる。

そう、この作品はそんな世の中の[凶器]同士がぶつかり合い、内房は、「何を隠すのか?」、一方記者は、「何をばらまくのか?」を描いている。 
実際にも[起こり得る事]も、双方の目線で、黒く描いている。

そして、今回のシム・ウンギョン、松坂桃李の演技には感服した。シム・ウンギョンは、記者でありながらもどこか[不思議な雰囲気]の役柄であった。
松坂は、内房としての[圧力]と人としての[倫理]の間に揺れている内閣府職員の、[オドオドとした雰囲気]が、とてもリアルだった。実際の内房の雰囲気もそうなのであろう。

今の日本は、明るいとは言えない。メディアを通してそれを流しているのもそうだが、実際に政界がその雰囲気を作り出しているのも事実。
その怪しいものを掻き出すために、メディアが動き、真実を伝える。
 
  "何が真実で、何が嘘か"……。

それを聞き、[発信を求める権利]が、国民にあるべきなのである……。

それを脳裏に焼き付かせた作品なのです。
コマミー

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