2020/03/08
2020年23本目
監督 藤井道人
シム・ウンギョン
松坂桃李
田中哲司
【国家の闇】
大学院設立に関わる政府の陰謀を巡る、女性ジャーナリストと官僚である内閣情報調査室の男の攻防と葛藤を描いた社会ドラマ。
先週の日本アカデミー賞での、シム・ウンギョンの涙に感動して、慌ててDVDレンタル、ラスト1枚をなんとかゲットできました。
淡々と進んでいく物語の中に、隠蔽、情報操作、脅迫と、なんとも言えない恐ろしさを映しだして、背筋が寒くなる思いに駆られました。
圧力に負けず、信念に突き動かされ取材を続ける主人公エリカ、正義と守るべき家族との間で苦悩する若き官僚役の松坂桃李、主演2人の見事な演技に加え、内閣情報の上司を演じた田中哲司の言葉のひとつひとつが、なんとも底知れぬ恐ろしさ、素晴らしかったです。
クライマックス近く、新聞の輪転機が回るシーンは、80年代の社会派ドラマのワンシーンを彷彿とさせ、その世代の人間としては懐かしくてスリリングでした。
ラストの衝撃的な展開に息を呑んだ一本。
良作です。
"嘘か本当かを決めるのはお前じゃない、国民だ"