まず、一部で囁かれているこの作品がプロパガンダ映画であるか否か、それはどうでもいい。
（実際のところ、完全な政権批判のプロパガンダ映画だけどねｗ）
だが、映画として楽しめない時点でこの作品は駄作である。
そもそも、脚本が凡庸でつまらない。
これが日本アカデミー賞の作品賞だって、苦笑するしかない。
政府による情報操作とか陰謀論とか狂気じみた国家機密とか、
そういう眉唾ものの題材で映画を撮るのは大いにありだと思う。政権批判映画も大いにありだと思う。
しかし、そこはちゃんとした映画としての「作品」を作って欲しい。
何ていうか、モノづくりのプロとしての「誇り」とか、文化人としの「粋」を大事にして欲しい。
優れた作品って、完全にフィクションですよ！という作り方してても、
視聴者は「いや、これってマジなんじゃね？」っていうのが映画の魅力だと個人的に思ってる。
だが、本作は真逆。
望月衣塑子が度々画面に映る。その時点でもう萎える。
彼女が良いとか悪いとか、そういうことではない。
こういうのってダサい！すげーーーダサい！
そして、ずるいし、せこいし、やらしいよ。
制作側はちょこちょこ彼女の影をちらつかせることによって、リアリティーを演出したかったのかもしれないけど、
そもそも、日本政府が自らデマを発信し、一般人を犠牲にしてまで情報操作を行っているというこの映画のストーリーにソースはあるの？
リアリティーを醸し出して視聴者を煽るが、ストーリー自体は空想ごとで進行する。
下手に生々しさを出すもんだから、フィクション部分が作られた「物語」ではなく、「虚偽や誇張」となる。
そうなると、もう白けるよね。何だこの茶番劇は？となってしまう。
松坂桃李は、安定の演技。彼は期待を裏切らない。素晴らしい。
田中哲司は、いや～な感じ満載で、さすがの怪演でした…^^;
シム・ウンギョンはどこかで見たことあるなぁって思ってたら、「サニー」の主人公が高校生当時の役の子じゃないか！
ラ・ブームの再現シーンが印象的で、あどけないイメージしか残ってなかったんで、全く違う演技が見れて新鮮で良かった。
制作側は、今の政権の危険性を世に訴えたかったんだろうけど、
映画という優れた文化を使って、印象操作すんじゃねーーーっ！
と言いたい。
