ジェームズ・ガンプロデュース、ということである程度構えて鑑賞したが、思っていたより相当「素直」な作りの映画ですこし驚く。
内容は初見で解るとおりの「スーパーマンが邪悪だったら」なifもの。「全世界を奪え」という刷り込みには、悟空がもし頭を打たずに成長していたら、というサイヤ人的な印象も持った。
ゴリゴリのオタクが作っているだけあって、様々なスーパーヒーローものへのオマージュや引用、底意地の悪さすら感じるパロディが散見されるのも良い。特にとあるシーンは、あえて合成を安っぽくしてまで、クリストファー・リーブ版スーパーマンへのオマージュをしていたのにはグッとくるものがあった。
ホラー映画としては、主人公がスーパーパワーの持ち主という事もあり、全ての所作が超高速なため、どんなシーンもジャンプスケア要素になっていたのは新鮮。じっくり主人公を写し、これから起こることを予見させておきながら、数フレームで加速・行われる破壊描写にビクっとするというか。