さわやかなポスターからは想像もできないほど心が痛くなる
アメリカで最も惨めな街で必死にもがく3人の少年の12年間を追ったドキュメンタリー。
ロッテントマト100%フレッシュに嘘はなく
素晴らしかった。
スケボーしている時だけが唯一の癒しである彼らの悲惨な過去、荒れ果てた環境に心が張り裂けそうなるが、それでも未来に希望を見出そうとする姿に胸が熱くなる。
ネガティブなことが起きてもそれをパワーに変えられる人もいるが
変えられない人がほとんどのこの腐敗した世界でどう希望を見出せば良いのか…?
全てを諦めたくなるような現実や衝撃の過去が暴かれていく中でも
決して悲観的なシーンばかりにならず
スケボーを無心で楽しむ彼らのカットが挟まるだけで心が救われるのは
きっと彼らと同じように観客もスケボーに癒されるように構成されているからだろう。
しかしそんな彼らのリアルすぎる人生を垣間みて
日本も他人事ではない、と考えざるを得なくなる。
自分の置かれている状況を振り返ってみると
彼らのように希望を見つけられるのか不安になる。
最近の日本政府の対応をみていると本当に言葉が見つからないほどの酷さで
正直未来に希望なんてないと感じている。
でもこの作品は今を生きる若者たちに絶望を与えるために創られたわけではない。
心は傷だらけでありながらも
目の奥ではまだ希望ある未来を探そうとする姿や
どんなに悲惨な世界で傷ついても前に進もうとする彼らと自分を重ねることができ
心が救われ、希望を見出すことのできる素晴らしい映画でした。
きっと、大変な時を生きる今
観るべき作品なんだな、と思います。
彼らが前を向いて、スケボーで進んでいく姿に明日を生きる希望をもらいました。