とりちゃん

行き止まりの世界に生まれてのとりちゃんのレビュー・感想・評価

4.2
またしても凄い傑作を観てしまった…!!!「全米で最も惨めな街ランキング3位(なんちゅうランキングやねん)」のイリノイ州ロックフォードに暮らす3人のスケーターに12年間密着したドキュメンタリー。スケーター仲間達が空駆けるみたいに自由にスケボーと戯れる夢のような映像に始まり、貧困、人種差別、家庭内暴力に翻弄され、ドン底から這い上がろうともがく若者達のリアルを、渦中の当人が迷い、悩みながら撮っている生々しい映像にただただ圧倒される。キアーがこの作品を「無料セラピー」と呼ぶシーンや、母親がインタビュアーである息子に向かって「映画を撮ることであなたが癒されるならいくらでも撮りなさい」と涙ながらに訴えるシーンに象徴されるように、アメリカという国に定着している「表現することで前に進んでいく」という文化がめちゃくちゃ羨ましくなる。そしてスケボーに乗りたくなりました。
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