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君こそ次の荒鷲だのmhのレビュー・感想・評価

君こそ次の荒鷲だ(1944年製作の映画)
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君も陸軍少年飛行兵になろうぜというプロパガンダ映画。
ちなみに「荒鷲」は陸軍飛行兵で、「若鷹(もしくは荒鷲)」は海軍飛行兵――いわゆる予科練。なので今回は前者。
陸軍少年飛行兵学校に通っている相川良平が主人公その1。石工のお父さんが事故にあって危篤。本人は帰らないというのに教官にすすめられて実家に戻ると、病床のお父さんからなにしに帰ってきた。そんなことじゃ天皇陛下の赤子とはいえんとモラハラ食らって、明日帰りなさいという家族を振り切って「帰ります」を繰り返してとんぼ返り。結局、お父さんが亡くなるも、そのまま訓練に明け暮れるのだった。
体が弱くて一年留年した辰巳真一(漢字間違ってるかも)が主人公その2。同級だった相川良平(と間宮少年というひともいる)に遅れを取ったが、陸軍少年飛行兵学校に入学することを目標に体力つくりで頑張っている。
クライマックスは「郷土訪問飛行」。相川少年、間宮少年が飛行機で村の上空に飛んでくる。同時に郵便局員はみんながあつまっている学校に校庭にやってくると、その郵便物は真一少年の陸軍少年飛行兵学校の合格通知であることに気がつくのだった。
村の出身者が上空を飛ぶことだけで、めちゃくちゃ盛り上がってるところに吉報も重なって異様なテンションの中、映画と同じ名前の軍歌が流れる。
平時の映画ではまずみられない異様な合わせ技に、こっちは絶句気味。
この盛り上がりをラストのカタルシスに直結させてるのはかなりテクニカルだけど満足度も高かった。

序盤の訓話。
この頃の兵学校まわりのプロパガンダ映画は、実際の授業風景をおさめていることが多くて、この映画もその口だと思われる。
丸坊主の少年たちの精悍だが、まだ自我が確立してないような幼い顔立ちが並んでいる様子が怖かった。
おそらくかなりのかたが一年のうちに散華しているので、そういうこと含めて情報量が多かった。
「二十歳になったらどうせ兵隊になるんだから」
「それじゃ戦争に間に合わないよ」
さらっといってるけど、すごいセリフだった。
松竹のプロパガンダ映画はほんとよく出来てんね。
大船調のたまものかな?
面白かった。
mh

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