縞

スウィング・キッズの縞のレビュー・感想・評価

スウィング・キッズ(2018年製作の映画)
4.3
登場人物のための物語ではなく、物語のための登場人物
どこまでも説得力に欠かない、容赦ない筋書き
ここまでする必要あるのか…と思ったけど、他の結末を想像しようにも、こうなる以外どうにもならなかったと思わざるを得ない

(私は韓国語学習中のため詳しいとは言えないが)ディオの北部なまりには第一声から感嘆した、魂が乱反射しているようなタップダンスも演技を超えてひとつの作品だった。特に、所長を撃つ覚悟で踊った最後のダンス…

主要キャストはどの役者さんもタップダンスという外面的な役作りの負荷が高かったはずだが、内面の作り込みとその発露も凄まじい。
いつも映画を観るときは演出の仕掛けに心が奪われてしまうけど、演技に引き込まれた。

外国人の私たちはニュースで報じられる、北の市民の無機質で人格の削ぎ落とされたマネキンのような姿しか知らないけど、人なのだから人らしく生きているはずなのだ、同じ民族で家族もいるはずの韓国の人たちにはそうした葛藤もより身近なのだろう
マンチョルとジャクソンの言葉が全てだ、市民は流さなくていい血を流している、身勝手なイデオロギーのもとに
縞