ロールシャッハ

天気の子のロールシャッハのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
3.6
ハードルが上がりきった今作。
大ヒットした次の作品は作るのは難しかっただろう。
ある意味、新海監督の作戦かなと思いました。
楽しく見れたので、良かったです。

雨の一粒一粒を丁寧に表現していて、天国を思わせるような晴れ間は素晴らしかった。(何色もある雨の色を単純化して落とし込んだらしい)

劇中歌に関しては、
RADWIMPSを君の名は。で知った人にはマンネリに感じたかもしれなませんが、
今回は制作の初期段階からに野田さんが多く関わったおかげで、曲たちがストーリーに心の声を加えてくれた。

特に、終盤でかかる「グランドエスケープ」が疾走感があって囁くように始まり、力強い賛美歌のように聞こえた。

そして「愛にできることはまだあるかい」の歌詞で、愛の歌は歌われ尽くし、数多の映画で語られ尽くした、だけどまだ愛で伝えられることはまだあるよと物語全体を肯定してる気がして目頭が熱くなりました。

ストーリーに関しては、
新海作品は結ばれそうで結ばれない結末が多かったですが、天気の子は分かりやすい結末で、小さい子でも見やすいかな。

主人公の帆高は家出したり、逃走したり、銃をぶっ放していましたが、純粋すぎる故の行動だったので、そこは大目に見て欲しい。

須賀圭介はビール(飲み物)をよく飲み、龍の指輪をしていてるので、おそらく雨男だろう。
(水が入ってくるのが分かってたのに窓を開けて、事務所を水浸しにしていました。水を好むからではないかと。)
帆高も雨男で龍の指輪を陽菜にあげましたが、するっと外れて帆高の元に落ちてしまいました。

須賀が屋上の稲荷神社の場所も知ってる理由はおそらく、奥さんが天気の子(晴れ女)で人柱になったのでないかな。

須賀は"世界は元々狂ってる"と言っていたが、陽菜に会った瞬間に世界は狂わせたのは自分たちだと悟る。

多くの人の幸せより陽菜の命を選んだけど、純粋な愛が肯定された瞬間を見れてスッキリしました。

これが新海誠の観客へのサプライズです。
今までの作品では届きそうで届かない愛を描いていました。
それがまた良いかもしれませんが、今回は純粋に行ったということです。

最後に陽菜が祈って晴れてるところが水没した東京に住む人への救いだったかな。

P.S.実際に四谷須賀神社があります。そこから名前を取ったのかな?

Weathering With You(君と困難を乗り越える)
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