カク

天気の子のカクのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
3.9
新海作品の主人公はイイ意味で童貞力が高いのが魅力だが、今作は悪い意味で童貞力が高いため感情移入がしづらい。

少しフシギを超えたSFと薄い描写が続く登場人物の多さは現実の延長から浮いてしまった。それ故に、美しい風景描写が過飾な印象を持たせ、物語がクライマックスを迎えるにつれて寒い。

非凡な演出にはグッと来たけど、共感性が低いストーリーは、いただけない。
面白い作品だけど、結局、君の名は。と比較してしまう観客が多いことを思うと不幸な作品。

また、作品と関係ないっちゃないがビジネス臭の強いプロモーションが、純粋に作品を楽しむことを邪魔してしまった。閉じた世界の中で純文学的な感性で生きる物語からの脱却を図った意志は感じる。
カク

カク