「優れた作り手は、天を味方につける」
今年の雨模様を見据えていたかの如くの、作品内容。こんな事は監督としても一生にあるかないかの奇跡だろう。
今更天気がモチーフって、何がオモロイの?って思ったけど…
人間の小ささ、我々は何に向かっているのか・いないのかを俯瞰で見る事が出来る。
雨が続く中でも晴れ間を待つのではなく、雨の中でも生きる力が今の時代には必要なのだ。
全体の中での静と動を計算されていて、冒頭とクライマックスのテンションの上げ方はお見事としかいえない。
恐らくト書きで書くと、こんなの作れんのか?となる筈なんですよ。
でも、完成は恐らくそれ以上に持っていってる。
前作からもだが、個人主義から総合芸術への興味と信頼を得て、誰も予想つかない境地へ辿り着いている。
そういった他者との関わり合い、気持ちが、作品に乗り移っているよね。
映画の内容としても、現在の時代性を捉えた一品で、特に10代には未知の体験となるはず。
これを観て間違いなくポジティブになるだろうし、少しだけ誰かに、何かに優しくなれるのではないだろうか。
それと重要なことは、アニメーションでしか出来ない表現をやっていること。これは人間がやっていないから、逆説的に歯痒さがあるという事なのです。
多大な期待をかけられながら堂々と成し遂げた製作陣に拍手!