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天気の子のseiitaishogunのネタバレレビュー・内容・結末

天気の子(2019年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

相変わらず美術は綺麗だった。映像の見応えは凄くある。
ストーリーも表面的には面白かった。脚本が乱暴だなとは思ったが。最後、力技でぶち閉じた感じが。

新海監督が描きたいシーンだけを羅列して、そこに至るまでの説得力の地固めをしなかった映画、という感じ。プロットに毛が生えたものを綺麗な絵で作りました感。
ご馳走の美味しいところだけをかいつまんでお皿に盛りつけたもの。前菜もなければ付け合わせもない、デザートで綺麗に締めるかと思いきや出ない、みたいなフルコースとして完璧に構成された料理ではない。一品丼もの料理という感じ。(なのでそれが好きな人は好きだと思う)

特段目新しさはないものの、ベースのネタや一個一個のシーンは引き込まれるし面白いと思ったので、それらを引きにして最後に納得させてくれるんだろうなと期待を込めて見ていたら、納得させないまま力技で閉じられた印象。

穂高くんが何で家出したのか結局全くわからん。銃が何だったのかも分からん…晴れ女能力の由来も分からん…あのビルの上の歴史の浅そうな神社も分からん…天空の城も分からん…水の魚も分からん…ヒナさん消えたのに戻って来たのも分からん(物理的に連れ戻せる人柱)…
などなどの不可解な出来事を不可解なままにRADWIMPSの曲の盛り上がりに任せてぶち閉じた感じは否めない。
感動と恋愛要素という膜で表面を包んでツッコんだら負け感な雰囲気で誤魔化している気もするが…実際そういう、雰囲気を楽しめという映画なんだろう。
あと、クライマックスの一番盛り上がるであろう空のシーン、他のアニメでめっちゃ見たわ…と思ってしまった。何番煎じ感…。

ツッコんだらキリがないけど、つまらなかった訳ではないので惜しいな〜という感想。

【どうでも良い小言】
・やはり時折顔を覗かせる新海さんの性癖…
・都市部で冠水した水があんなに透き通ってる訳ないやろ…見た事ないんか…?流石に世界を美化しすぎやろ…ピュアネスか?
・何にせよ君の名はといい天気の子といい、一般受けするアニメとは思えんので不思議
・瀧くんと三葉ちゃんがドヤ顔で登場するシーンで笑ってもうた。
・瀧くんの世界、彗星落ちてくるわ東京水没するわで散々やな…。
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