青2

天気の子の青2のレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
3.5
彗星もそうだけれど超自然的なものはほんとうに神秘だ。新宿の下品なネオンも神秘だし、田端の古めかしい住宅街も神秘。神社も神秘で廃ビルも神秘。神秘性の煮こごり、神秘性のバーゲンセールだ。
東京を描いているっていうかもうほぼ写真。こういう綺麗すぎるアニメを見ると、アニメとは……映画とは……と哲学的な気分になってしまう。
でも、なぜあんなに雄弁な画なのに、あれほどまでにモノローグが多いのだろう。アニメなら映画なら、映像で語れやと思いませんか。音楽と絵と言葉を拠り所にしすぎ。力技感が拭えない。
とはいえやはり美しさは眼を見張るものがあり、音楽もRADWIMPS自体にそこまで興味はないもののあの女声の入った曲のユニゾンとクラップのサビに浄化された。
陽菜と引き換えに東京は沈没して、おそらく有形無形の様々なものが救われなかった。わたしはそこがこの映画で抜群によかった。もっともっといろんなものをぶち壊してくれたらさらによかった。
映画館を出たのが17時ごろで、日は傾いているけれど青空と太陽が綺麗だった。新宿で観ればよかったかなあ。
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