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天気の子のtatsuのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
4.0
「君の名は。」とか「アナと雪の女王」みたいに、超話題作!みたいなのを聞くとあまり観る気が起きないタイプの人間なので、「君の名は。」もその評判から観るのをためらい、公開からしばらく経ってからブルーレイをレンタルして鑑賞しました。

初見時は、「そんなでかい事件なのに、瀧君知らなかったの!!?」などツッコミ目線で鑑賞してしまいました。ただすごく印象的だったのが、アニメとは思えない映像のリアリティ。特に空の感じがとてもキレイだなとビジュアルに驚かされました。

それから気になって新海誠監督の過去作を遡って鑑賞。「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」を観終わった時には「いったいなんちゅー気持ちにさせてくれるんだ・・・」と切ないしモヤッとさせられる、なんとも説明し難い感覚を味わったのを覚えています。そこから完全に新海作品にハマり、「君の名は。」をもう一度鑑賞してしまったくらいです。

それで、「天気の子」も劇場で鑑賞したわけですが、個人的には新海作品史上一番スッキリするラストだったかなと私は思います。若干力技な部分もあるし、最後の設定に賛否あるのも頷けるツッコミどころもある作品でしたが、野田洋次郎さんの曲の力も相まって観終わった後の爽快感は個人的には「君の名は。」を上回るものがありました。

東京の街の雰囲気や天気の変化など、細かいディティールまでこだわった画作りは圧巻で、完全に今作にはハマってしまい、聖地巡りなんてクソ喰らえと思っていた私が、一人で田端まで行ってニコニコしながらあの坂を登ったくらいです。

先日ブルーレイのコレクターズ・エディションも購入し、(ちょっとお高い)ドキュメンタリーも鑑賞したのですが、これがまた1本の映画として上映してもいいんじゃないかくらいの内容で、作り手のプロ意識の高さには圧倒されました。劇中数秒しか出てこない部分へのこだわりは、一度鑑賞しただけでは絶対発見できないようなものばかりでした。

新海監督のスタッフやキャストへのアドバイスもかなり的確で、印象的だったのが一度必ず相手を褒めた上で「もう少しここをこうすると、もっと良くなると思います」とアドバイスする姿が紳士的で好印象でした。こういう上司の下で働きたいものです。

音楽監督を勤めた野田洋次郎さんのクレバーでクールな佇まいとは裏腹に、最後に世界最速上映時に見せる涙には人間味があって、そのギャップも素敵でした。今作にハマった人には是非このドキュメンタリー映像を鑑賞して頂きたいです。

オススメです!

↓ブログ記事↓
https://kamenhuuhu.com/2020/06/13/tenki/
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