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天気の子のSusのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
3.6
大ヒットした前作が世界の綺麗な部分を見せる映画だったのに対して、今作は廃ビル、ラブホ、風俗、貧困など世界の不都合な真実に目を向けた映画だと思った。都合の悪いことから目を背けた大人に刺さる内容だったと思うし、それだけに賛否が分かれるように思える。

主人公の帆高は陽菜のためであれば御構い無しに法を破る。これらのシーンは法というものは恣意的なルールであり、本当に大事なものは法の外にあるということを解らせてくれる。主人公の振る舞いにイラっときてしまう人はそれだけ普段からルールの奴隷になっているのだと思う。

しかし、残念なところもあった。新海監督といえば男女のすれ違いを描いてきたが今作ではそれがイマイチだと感じた。「君の名は」でさえ2人が終盤まで直接出会わなかったことを考えると、割と最初から良い感じに見えた。あのくっつくのかくっつかないのか曖昧な関係が結構好きだったので残念だった。

あとネタバレになってしまうので詳しくは言えないが、全体的に危機感が足りなくてドキドキしなかった。これはエンタメとしてはいかがなものかと思う。

総括すると恋愛エンタメアニメとしては微妙だが、社会派アニメだと思えば中々面白い映画だと思った。
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