このレビューはネタバレを含みます
少年の純粋さと大人の欺瞞の衝突が描かれた作品。
帆高は世界(まあ言うて東京だけど)が狂ったままでも、それでも陽菜を選ぶ。そこに一切打算などはなく、人生を棒に振ってでもヒロインを助けたい主人公の『キャッチャーインザライ』のホールデンにも通ずる純粋さに感動。
全体のためには個人を犠牲にするのも厭わないという理不尽を看過できない純粋さは愚かでもあるこかもしれないけど、社会の不条理や理不尽を「まあ仕方ないよね」の一言で済ませてしまうのが「大人」ならそれはどうなんだろう。