映画ケーン

天気の子の映画ケーンのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
4.6
訳あって観返した。
僕は新海誠を過小評価してた。というか僕の目がどうかしてた。何考えてたんだ数年前の僕は!

確かにベタだし、お涙頂戴だし、説明的だし、モノローグだらけだし、宮崎・高畑・富野アニメみたいな「複雑でリアルな人間」が描かれてないけど、「”僕らが今住んでいる”この世界はとても広くて美しいんだ!」「この世界に晴れをもたらしたいんだ!」って真っ直ぐなテーマにグッと来る。
これを描いてる作家は世界を見てもあんまいない。

セカイ系なんだけど、「世界はどうなろうと2人で居たい」だけで終わらず、それでも晴れを願っている、この感覚は凄い今っぽいし、”いわゆるセカイ系”を超えてる。

初め観た時は泣かなかったのに、2回目観た時は「晴れ仕事」、最後の「それでも祈る陽菜」のシーンは泣いてしまった。
何かの夢を追いかけてる人には響くと思う。完全にアニメーターやクリエイターの話。
新海誠の「錆びついたビルも美しく描く」って部分がテーマと合ってる。
この、灰色で汚くて錆び付いてて卑しくてイジワルで、そしてとてつもなく美しい東京へ。
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