ゆーま

天気の子のゆーまのレビュー・感想・評価

天気の子(2019年製作の映画)
4.5
「君の名は。」に比べて分かりやすいストーリー(君の名は。が難解なわけでない、よくあるタイムリープものだし)。美しい映像と音楽、エンタメとしての映画として最高峰であった。

三葉と瀧くんのように世界の歴史や流れを改変してでもお互いの世界、未来を選択する。自己犠牲が美化される世の中で、人間がみな平等に持っているはずの、「自分の幸せを願うこと」という権利を最大限に行使する。まさしく人間賛歌の映画。

そして、あんな大恋愛を果たした三葉と瀧くんでさえも、本作の中では別れてしまってお互いの道を歩んでいるように見える。

ようは、10代そこそこの男の子、女の子にとっての初恋や恋愛は、彼らにとっては世界を揺るがすほどの大事件であり、みんなが経験してきたことなんだ。だから誰の人生だって映画にできるんだよ(別に恋愛じゃなくても)、つまらない人生なんてひとつもありやしないんだっていう新海誠のメッセージがすごく伝わった。

それを映画としてアニメとしてエンタメとして、少々脚色して(大分か笑)みんなに見せる。

すごく幸せな気分になった。

メモ:以前、上野千鶴子さんの講義を聞いたときに、女性は自分の子供の幸せは願えるのにどうして自分の幸せはそこまで願わないのか。子供はお母さんが幸せでないと、絶対に幸せになれないと仰っていて、すごく感銘を受けたことを思い出した。
ゆーま

ゆーま