ふじこ

HELLO WORLDのふじこのレビュー・感想・評価

HELLO WORLD(2019年製作の映画)
3.0
試したかった映像素材にストーリーが追いつかなかった感じかな。

視聴1時間あたりでやっとなぜこの映画がフルCGで作られているのか、やりたいことが見えてきた。

やりたいことはいい。
中盤で話が動き出してからのダイナミックかつサイケデリックでファンタジーな映像演出はかなり好きだった。
そのために始めからフルCGにした戦略も頷ける。
背景も全編通して美しかった。

だが序盤の掴みが弱い。
CGアニメーションだと人物の動きの繊細さがやはり手書きには及ばず、魅力が薄い。
その上、ストーリー展開的にもメインキャラの感情の動きについていけない。
設定も没入するには難しすぎる。

もしかしたらアニメでゆっくり描いた方がキャラには感情移入できたかも。予算の関係などで無理だったんだろうが。

あとメインキャラの声は、映像でこれだけ実験的なことをするなら本業の声優に任せた方がよかったかも。宣伝効果の面で無理だったんだろうが。

CGで落ちてしまったキャラの魅力を声で補わないといけなかったのは、本業の声優さんでも難易度高いのでは?

ので、決してメインキャラの声の方たちが悪かったと言っているわけではない。

その点、子安さんのキャラはちゃんと生きているリアリティがあって、「声優は命を吹き込む」という意味を体感した。
ふじこ

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