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HELLO WORLDのgnspのレビュー・感想・評価

HELLO WORLD(2019年製作の映画)
5.0
Filmarks試写で鑑賞させていただきました。毎度毎度感謝。

ナメてた恋愛映画は、映画オタクが作った超ブッとんだシロモノでした。
はいっ、久しぶりに食らいました。

古今東西様々なSF作品のエッセンスを総動員して綴られる、「セカイ」に生まれたあるひとつの恋の話。

それこそ前半は本当に「よくある」恋愛ものにSFが少しばかり絡んで…といった形なんだが、そのゆるいテンションから一気に畳み掛けてくる後半は凄まじかった。終映後スタッフの方に「すごかったっすね…」って言っちゃったもん。

とにかく名作へのリスペクトを感じさせる場面がてんこ盛り。
「あ、あれのやつ!これはあのやつ!」が目まぐるしく絡みに絡んですごいものを見せてくれる、映画ファンにとってはただただ至福の時間。

そしてもう一行さんが最高にかわいい。綾波の控えめさとアスカのツンをいいとこ取りした、「リズと青い鳥」の鎧坂みぞれのごとく透き通るような紺のロングヘアの「みんな大好きに決まってる」キャラクター。かわいい。そら頑張るわな。かわいい。

ってか「先生」を演じた松坂桃李さん…声の演技もめちゃくちゃ上手いな!!!
「孤狼の血」で桃李の女になってた俺だけども、観てる間は知らなくて、細谷佳正さんかと思った。エンドロールで知った時は本当に驚いたけども、声を考えるともう納得も納得。
(追記:よくよく考えたら、2人とも「この世界の片隅に」の周作さんだった。)

舞台が京都であることを十二分に活かされた登場キャラ、展開、そしてネタだったことも地味に素晴らしいと思います。
ロケハンしてなんとなくの綺麗さで…ってなりがちなところ、京都でなければならない「理由」をちゃんと持っている。

セカイ系全体の欠点なので仕方ないところではあるけど、絡んできたら面白そうなキャラが本筋に全然入ってこなかったのは少し残念。
あと日本のCGアニメに感じる「違和感」ってどうしても拭えないものなのかな…

ただそういった欠点を差し引いても、映画ファンほど楽しめる、大傑作SFアニメだった。クラシック化は間違いないかと。

やってやりましたね、伊藤監督、野崎さん。


追記:2回目観たら1回目よりガッツリ泣いてしまった。
ナルバリッチ、エモい。
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