新品畳

HELLO WORLDの新品畳のレビュー・感想・評価

HELLO WORLD(2019年製作の映画)
3.8
バーチャル世界に戻るために京都駅の大階段を黄泉比良坂として使うのは面白かった。
神話で見れば坂を降った先が生の世界なのだろうけど、目的地が「虚の世界」って結構シュールな構造だと思う。(厳密にはラストシーンでそれ自体も瓦解するが)

システムが現実に干渉してくるシーンをずっと違和感持ちながら見ていたが、ラストで納得は出来た。ちゃんと腑に落ちたかと問われたら微妙ではあるけど。

現実世界に関する説明が無かったがもしバーチャルの世界全てが過去の出来事だったということならば、最後に瑠璃に救われたナオミは終盤でシステムに一度殺されたナオミだったということなのだろうか。
だとしたら、「パラレルワールドと化した過去の京都の世界」と「月に移住した人類のいる世界」の二世界が並行することになる。

その場合に八咫烏を操っていた瑠璃の存在がキーになるのだけど、単純に中盤まで現実とされていた京都も7年前のデータとしての京都も全て誰かが作り出したバーチャルでしかないのであろうか。

あのナオミが「本を修復した経験をした救世主としてのナオミ」と「死を経験したナオミ」を包括したナオミだったとしたらそれはそれで面白いな。
瑠璃も一度死を経験してるわけで、その二人が再会するっていうのはキリストとイザナミの恋物語とも取れるし、かなり奇抜だ。

原作読めば分かったりするのかな。
いずれにせよ、いい頭の運動になった。
新品畳

新品畳