このレビューはネタバレを含みます
公開日初回上映鑑賞
これはマーベルヒーロー映画ではなくホラー映画。表現的にかなりディズニー、マーベルとしてはかなり挑戦的な作品。
ヒーロー映画はどうしてもまずオリジン作品を作らなければならないが、オリジンはどうしても内容が薄くなりがちというジレンマに陥る。マーベルシネマティックユニーバースは今やオリジン量産期を終えフェーズ4に突入したことにより、より深く面白くなってきている。
「ノーウェイホーム」からマルチバースに手を出したことでこの先かなり複雑で難解な世界になっていくことは間違いないだろう、というか今作ですでにかなり難解。
結局いくつか理解できていないことはあるが、それよりも驚きの方が勝る。
まず何より驚いたのは、ワンダを人殺しも厭わない最狂ヴィランにしたこと。ラストの心境の落ち着きはあらかた予想できたが、「ワンダヴィジョン」であれだけ家族の愛を求め葛藤し反省してドラマが完結した後に、まさか子供ために人を殺しまくるとは思わなかった。サイコホラー要素が凄まじかった。
そして次に驚いたのはなんといってもイルミナティ。結局この組織はなんだったのか??「X-MEN」シリーズからのチャールズ・エグゼビアを始め、ファンタスティック4やミスマーベルなどこれでもかと勢揃いし、期待させといて全員あっけなく殺される。エグゼビアに関しては本当にショックだった。今後別のバースのエグゼビアが出てきてくれることを期待する……
あとは、今回のホラー演出。今までのマーベルにはなかったグロ系演出がふんだんにある。生々しいディフェンダーストレンジの死体、黒焦げになって死ぬ描写、鉄柵に串刺しになるシニスターストレンジなどなど。まぁこの演出はサムライミ監督だけかな??
とまぁ他にも書きたいことはたくさんあるが、最後は綺麗に?纏まって良かったかな。ワンダが子供と対面するときの優しい顔に変わる瞬間さなんかこっちまで切なくなって涙出てくるし、ストレンジがまたさらに精神的に成長したのもなんかよかったし、総じて良い映画だった。
「君は幸せか?」
「俺は今の人生に感謝してる」
「私が愛します」