薔薇

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスの薔薇のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

こんなにコテコテに監督の毛色が出たMCU作品は始めてかもしれない。楽しすぎてめちゃくちゃ笑った。

最初からホラー色全開なのは見てれば明らかだがやりすぎて80、90年代のジョン・カーペンターを初めとするホラー映画の演出祭りみたいになってきたのが面白かった。

 特にイルミナティ惨殺シーンからワンダが追跡してくる場面とかは凄い。『死霊のいけにえ』のようにハンディカムで撮ったように見える動くショット、ペギーアメリカのバストショットが崩れ落ちるカット、足を引きずって追ってくるワンダを背中に捉えたショットなどまさに”コテコテ”で胃がもたれるくらい。あとはゾンビ復活シーンのコテコテさも愛おしい。

 ワンダが追ってくるシークエンスの三人のバストショットが連続で映って来るのか来ないのかの表情浮かべる所とか普通に声出して笑ってしまった。こんな大作で良い意味で安っぽいコテコテの演出してくるの楽しすぎる。

 全体を捉えるとマルチバースが何なのかみたいな設定重視の物語ではなくマルチバースを扱って自分は自分にしかなれないという普遍的なメッセージの作品になっていた。森見登美彦の『四畳半神話体系』にとても似ているテーマ。ストーリーが割と腰が座っているおかげでコテコテ演出祭りを最高に楽しめた。
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