まっと

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのまっとのレビュー・感想・評価

2.5
アメリカ娘だけマルチバース上に1人しか存在していないということに疑問を持った。ドクターストレンジやワンダは複数人出てくるのに。100人くらいアメリカ娘出てきて、ワンダと戦えば面白いのに、などと思ったので、以下勝手に考察してみる。

マルチバースを「映画」というもののメタファーと考えれば、出演映画の数だけ違った人生を演じる役者はまさにマルチバースを生きる存在。時にドクターストレンジ、時にパワーオブザドッグ、時にシャーロック・ホームズというキャラを生きるカンバーバッチ。役者は同一人物でありながら、それぞれのキャラ同士は決して交わらない。キャラは単一映画世界でのみ生きる存在。仮にドクターストレンジがホームズの生活に憧れを持ち、ホームズになりたいと願ってもそれは無理な相談。それはワンダも同様。

マルチバースを自由に行き来するアメリカ娘とは、すなわち映画を鑑賞する観客。観客とはスクリーンの外部から様々な映画を体験できる存在。スクリーンの中で一つの世界でしか生きられないキャラからすれば夢のような存在だが、所詮ただの観客なのでいろいろな映画世界を自由に見ること以外、何もできない。その証拠にアメリカ娘のコスチュームは、ぶらりと映画を見に来たようなカジュアルで平凡極まりない無個性なジーンズ姿なのである。
ドクターストレンジの世界に「突然」「1人で」落ちてきたのも、彼女が観客だから。好きな時に映画館にやってきて、その映画の世界にハマっただけ。

彼女がドクターストレンジと共に様々なマルチバースをサーフィンする際にアニメ調になったりモノクロ調になったりするのは、マルチバースが様々な映画のメタファーであるということを鮮明に物語っている。
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