Mary

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスのMaryのレビュー・感想・評価

3.8
ストレンジ先生の映画でもあり、ワンダの為の映画でもある本作

ワンダの、奈落の底のような、あまりにも哀しすぎる境遇と物語が彼女を文字通り悪魔に変えてしまった 本当ホラー映画
だけど、もし自分がこの世界線の彼女だったら、何故他の世界では息子が居て楽しそうに生きてるのに自分だけがこんな目にと、思わずに居られるだろうか 多分相当難しいことだと思う 満たされるどころか、幸せを奪われ続けた彼女にとって、ましてやルールさえ踏み外せば自分の欲しいものが、息子達が手に入る能力を持つ彼女にとって、道徳的に正しい行為を行うというのはとんでもなく辛く耐え難いと思う
ワンダビジョンの最終回で、ヴィジョンと息子は消えたはずだったけど、息子が生きてる世界線があるということは、あの時息子を消さない判断をしたワンダが恐らく無数に居るという解釈で良いのかな?
自分が創造した息子達とは別れを告げたはずだけど、やっぱり諦められなかったのかな

息子達は君の魔法で創られたのだというストレンジの彼女への咎めに対して、
「母親はみんなそう」という台詞、
ラストでの別次元のワンダの
「私が愛します」等、
彼女の痛みや哀しみがこれでもかと自分の心に入ってきて涙が止まらなかった

さすがオルセン様だなと思った

本当に愛するというのは、手放せるという事みたいなのはある程度真実だけど、その境地に辿り着いた時には、もうある種人間じゃなくなっているということなので、ワンダの行動は非常に人間性があって、とても共感できた 今彼女は何処にいるのか…ラストの崩壊とともに亡くなったりしてたら本当に悲しい

ストレンジ先生の映画だし、本来はとても我が強くて自分が手を下さないと気が済まないキャラなのに、今回はチャベスにワンダへの王手を任せたというのが、ストレンジ先生の心を少しでも開かせた機会となったような

大好きなX-MENから別世界だけどチャールズが!!出てきた時リアルに雄叫びあげた
こんな最高な事、生きてるうちに映画で観られるなんて本当に感激‼︎

個人的にワンダがX-MENのジーン/フェニックスと破滅的な戦いを繰り広げる映画作品が観たい どっちの方が強いんだろう

製作陣による素晴らしい仕掛けや美術、脚本に驚いた!
魔術の世界観なだけに、ほぼCGかと思ったらセットや衣装など、とんでもなく緻密に作られていたとは…
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