トム

黒い司法 0%からの奇跡のトムのレビュー・感想・評価

黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)
3.7
●あらすじ
実話。1987年アラバマ州。
ハーバード卒のブライアンは、死刑囚専門の弁護士をしていた。
そんな中、18歳を殺害した罪で死刑宣告を受けた囚人の弁護を受け持つ。

●感想
信念

映画としては少し地味に感じる。
序盤はBGMもほぼ無しに淡々と進む。登場人物の名前を覚えてないまま、現場の状態を語られるシーンがあるのは理解に苦労した。回想シーンや現場の描写は一切ないので、文字からのイメージだけで考えるしかない。
後、裁判モノでよくある裁判場での熱い論争などが余りなく、驚愕するシーンも少ない。実話だからしょうがないんだけどね。

ただ、死刑囚と一緒に戦ってきたブライアンという男を知る事、黒人が如何に法の下で不当に扱われていたのかという事、は知っておいて損はない。
ブライアンは死刑囚を助けたいと思う一心で、自分の人生をかけている。脅迫されようと立ち向かう。自分の信念を貫いていて、素晴らしい人間だなと思った。

ラストの実際の映像はくるものがある。ブライアンの表情が特に良かった。

白人警官の中でも、ある事柄を目の前で見て、黒人死刑囚たちに少しずつ共感していってるように見えたのも良かった。

昨日見たハーレイクインの映画では男はみんな女性差別主義のような描かれようで酷評した。
しかし、黒い司法やデトロイトのような素晴らしい映画は黒人の事を思う白人もいるということをきちんと描かれていて、これこそ人権問題をきっちりと考えている作品だなと思った。何かを一括りにする事で、新たな差別を助長するから本当に良くない。ましてや映画という表現では尚更。
トム

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