言わずもがな『アラバマ物語』を下地としながらも、各演者がグリシャム作品のあんな人やこんな人と重なってみたり、ジョー・モートン似のおっちゃんはもろに『デッドマン・ウォーキング』のショーン・ペンで泣かせるし、ブッ飛んだ胡散臭さで武装化したTBNなんかは『プリズン・ブレイク』のロバート・ネッパーみたいで強烈だし、そんな懐かしさが潤滑油となり没入を加速させてくれる。
そんなこんなで『アラバマ物語』から数十年を経ても社会は何ら変わっていない、むしろ悪くなっている側面さえあるといった問題提起を添えて繊細にアップデートされているんじゃないかと。
まあエンドロール直前に隣の房の囚人の後日談がサラッと触れられていて、そっちの方がよっぽどエグい人生なんじゃねーの?とは思ったけど