たけまる

犬鳴村のたけまるのレビュー・感想・評価

犬鳴村(2020年製作の映画)
2.6
予想していたよりかなり良かった。近年の和製ホラーの中で言えばアタリの部類。
演出は和製ホラーの集大成!と言わんばかりに「お約束」が盛り沢山。
清水監督が多くの「お約束」を作り上げてきたこともあり、一つ一つの真に迫った感じが良かった。視界の端で捉えた幽霊がぼやけて見える感じとかなるほどなぁと思った。
話の筋もそこそこ通っていて納得感がある。説明的にならざるを得ない場面が多く冗長に感じたが、許容できる程度だった。
不満だったのは、恐怖の造形と所々に見られた雑さ。
馬鹿みたいに口を開けて追ってくる、輪郭のブレた幽霊の姿は滑稽でしかない。また、ゴア描写を控えめにしたいのは分かるが頭から潰れた人間が顔に少し傷がつく程度で済むはずがない。演出は良いのにはっきり写った瞬間に冷めてしまうのがもったいなかった。
時代考証がなされているのか疑問に思う場面も散見され、設定面で雑だなと感じた。
あと最悪だったのが客層の質。和製ホラーを劇場に観に行く以上覚悟はしていたが恐怖演出が挟まるたびにクスクス笑い合う連中には正直我慢ならなかった。