Mashirahe

犬鳴村のMashiraheのレビュー・感想・評価

犬鳴村(2020年製作の映画)
3.5
優れた映画かと言われるとノーなんですけど、公開日にカップルに分断され散り散りになりつつ友人達と満員の劇場で一緒に見た体験はプライスレスなんで+1点ぐらいしてます。
賑やかな劇場が徐々に静まり返り、映画が始まります。いかにもありふれたYoutuberの日常を映したドキュメンタリー風の演出から恐怖に引きずり込まれるオープニング。劇場も悲鳴やざわめきで満載です。
序盤の山場となるあの恐怖演出。劇場は恐怖に包まれ、思わず自分も悲鳴を漏らしてしまいました。だんだん迷走する物語。次第に「え、どういうこと?」みたいな囁き声が増え、困惑が広がっていきます。そして観客を置いてけぼりでブッ込まれるSF展開。呆気にとられたのか囁き声も消えてしまい、びっくりシーンで悲鳴が起こるぐらいで後は基本静かに進行していきます。そして謎のクライマックスから意味深なラスト。トドメに実在の犬鳴トンネルを映す更に意味深なエンドロール。狐につままれたような空気を残し映画は終了しました。「わけわからんねんけど」「怖かったけどなんやったんこれ?」会話の断片を耳に友人と合流し、劇中歌のマネをしながらやっぱこういう映画ってしょーもねーなーと会話し酒を飲んで別れました。
ホラー映画も邦画もあんまり好きじゃないんですけど、こういう若者のある種肝試しスポットじみた作品は風物詩だと思いますし、その空気感込みで大好きです。
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