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火口のふたりのsahoのレビュー・感想・評価

火口のふたり(2019年製作の映画)
4.2
途中まで、ただの変態じゃないかと思っていたけれど、状況が一変してこの二人の生き方もありなのかもしれないと感じた。
この作品では極端に性的な欲求が描かれているけれど、本能的な欲求は誰しもあるはずで、それをなんとか理性で抑えてみんなバランス取って生きている。でも、明日死んでしまうかもしれないとわかったら?本能のままに生きて、何が悪いんだろう。そんなことを悶々と考えさせられる。
食事、睡眠、セックス。三大欲求が繰り返し描かれていて、思わず帰りにラーメン食べた。
震災のこと、東北という地域の抱える歴史、自衛隊などが会話に散りばめられ、男女と社会を同時に描くのが本当に上手い。終盤の展開は何も突拍子のないことではなく、このままいくと戦争に突入しかねない日本の暗喩なのだろう。
エンドロールで初めて、エキストラを除くと二人しか出ていなかったのか!と気付くくらい濃密でした。
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