kyonkyon

火口のふたりのkyonkyonのレビュー・感想・評価

火口のふたり(2019年製作の映画)
4.6
意識が飛びそうな程魅入ってしまった。
なんて作品だ。これは邦画の歴史を塗り替えるぞ。

舞台は秋田。はじめから終わりまで2人の世界のみで構成されており、全体の半分がセックスシーン。

誰にでも忘れられない人がいる。記憶から忘れられない人、身体で忘れられない人。
自分が過ごした至福の時間は一生記憶に残り、体験によっては身体に残ってしまう。年を取り大人になり、理性や才覚が熟しても、その身体に残った記憶は消えない。もはや脳からの司令を無視して身体がそれを求めてしまう。

男女関係とは、不思議なものだ。
比較的実らなかった過去やどうしようもない関係にこそ、身体は記憶を焼き付けてしまう。人間は本当に皮肉な生物。

頭が麻痺する程誰かを求めたあの時と比べて、この2人に魅入るしかない私であった。
kyonkyon

kyonkyon