スケールを感じさせるSFサスペンスで、中盤にかけての逃走劇を、ハラハラしながら楽しく観ました!
『逃亡者』とか『エネミー・オブ・アメリカ』とか、そういったハリウッド大作っぽい空気があって、それを意識して作った邦画かなと思いました。
AIが暴走するというのも『2001年宇宙の旅』のHALはじめ、SF作品として定番だけど興味を唆るテーマで、オリジナル脚本で挑んでるところには好感を持ちました。
追われる身となる暴走したAIの開発者、彼を追う警察側も捜査AIを駆使したチームと現場主義のベテラン刑事の二手に分裂する。
3すくみでそれぞれの思惑が交錯しながら、テクノロジーと人間らしい知識と経験の戦いとして展開される逃走劇は、テンポも速くてとても良かった。
ただ、サスペンスとして真犯人の種明かしがされると、そのあたりからテンションが下がっちゃってる感じだったのが惜しいんですよね…。
思うに、AIのサーバールームに開発者の娘が閉じ込められたという設定が、いろいろ邪魔してる感じがしちゃいました。
それによって、どうしても終盤で父娘の和解みたいな情緒的なものを入れることになっちゃうしなぁ、、、。
あと、いくら遠くに逃げても結局サーバールームに戻るしかないやん!って突っ込みが発生してしまう(笑)
ミステリー的な種明かしをやるよりも、序盤から敵を明確にして、ひたすら追う追われるだけでの娯楽性を追求しても良かったのかな。
逃走劇の部分が本当に良かっただけに、どうしてもそう感じてしまいました(^^;