Iri17

AI崩壊のIri17のレビュー・感想・評価

AI崩壊(2020年製作の映画)
3.6
いかにもテレビ局案件な映画で、つまらなそうなタイトルと筍みたいにキャスト全員がニョキニョキ生えたポスター、日本映画の悪いとこ詰め合わせか...と思ったら、内容は意外と良かった!

AIがシンギュラリティを起こすかという問題はかなり議論が分かれるところだが、AI自体が暴走しなくても人間の手によっていくらでも機械は悪用できる。僕たちは言葉一つで誰かを殺すことができるし、インターネットやAIのように実体のないデジタルデバイスは「ツール」を超えて僕たちの拡張された身体性の一部として機能する。人類が未だ対峙した事のないモンスターを扱っているのにその意識に欠けているという警鐘がこの映画には込められているように感じた。

AIに関する描き方にはリアリティがあったし、体一つで捜査する時にはセクハラ発言もガンガンしてしまう旧世代刑事のジェネレーションギャップもかなり真に迫っていた。エンターテインメント性と社会性が両立できることを証明してくれた。
Iri17

Iri17