クリーム

シークレット・ヴォイスのクリームのレビュー・感想・評価

シークレット・ヴォイス(2018年製作の映画)
3.8
『マジカル・ガール』が意外と良かったので、鑑賞。解らない事を最後まで上手く引っ張るので、飽きずに観れました。ラストが特に良かった。最初と最後の海辺の映像が、ただの海辺なのに高級感があって素敵に見えるのが何か不思議だった。何でだろ?美しいの。
人気歌手のリラは、復帰コンサートを予定していたが、浜辺で失神した際、記憶喪失になってしまう。歌い方を忘れたリラは動画サイトで自分の歌をそっくりに歌う女性を発見する。そして、彼女に自分の指導を頼みたいと考えるのだった。




ネタバレ↓




リラが動画で見つけたのは、カラオケバーの店員のヴィオレタ。彼女にはマルタという23歳の娘がいた。母娘関係は悪く、マルタは金をせびり、思い通りにならないとキレて暴れる。マルタはいつもナイフを手に自殺を仄めかす方法で、ヴィオレタを脅し思い通りにする。
ヴィオレタはリラの大ファンで、熱心にリラへのレッスンをし、彼女との仕事にメドがついた。コンサートの同行は、お断りしていつもの生活に戻るハズだった。が、マルタが母の同行を尾行しリラの家に出入りしているのを知ってしまう。秘密のハズのリラとの仕事を話してしまうヴィオレタ。マルタは興奮し、この情報をマスコミに売って大儲けしようと言いだす。その姿にヴィオレタは愕然として、娘の行動に泣き崩れる。呆然と座る母にマルタは苛立ちいつものようにナイフを自分の首にあて自殺すると叫ぶ。ヴィオレタは静かに『やりなさい』と言う。なんて娘、母親が泣いてても気にも止めず金儲け。結局、マルタは本当に自殺した。このモンスターを作り上げたのは、ヴィオレタなのだが…。
リラは、全てを思い出す。ヘロイン中毒の母が作った曲で成功を納めたリラだが、それをずっと隠していた。その事が世間にバレるのを恐れていたリラは、母の60歳の誕生日にヘロイン10グラムを贈り、母はそれを過剰摂取して死亡した。10年前から歌わなくなった原因は、母を死に追いやった為だった。リラは、マネージャーを解雇し、予定通りコンサートを開催したが、名前をヴィオレタ·カッセンに改名した。(何故改名したのか解らない)自分を持たない女性なんだろうな。
ラストにまた海辺のシーンになり、リラは海へ深く入って行った。
何とも暗いストーリーだが、最後まで結末が解らなくて、スリラーと言うよりサスペンスとして楽しめました。ラストもこの映画には、バッドエンドしか似合わない気がする。面白かったです。
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