パリのエリート高校で教えるベテラン教師のフランソワ・フーコーは、自分で蒔いた種とはいえ、ひょんなことからパリ郊外の中学で1年間教えることになる。移民、貧困、学力低下などの問題を持つ児童が多く、フランソワはまともな授業を行うことにさえ手を焼く。しかし、フランソワの真摯な姿勢はやがて生徒たちの信頼を得てゆく。
深刻な問題もユーモアを交えて淡々と描かれる。激情をぶつけるシーンも演出過多にはならない。原題にもあるが、これぞフランス映画のエスプリか。問題児セドゥとのラストシーンも号泣を誘わない静かなクライマックスである。