てつこてつ

マッスル 踊る稲妻のてつこてつのレビュー・感想・評価

マッスル 踊る稲妻(2015年製作の映画)
3.4
久々に見たマサラムービーは、やはり大作感あるなあ。

上映時間、実に188分。だけど、コメディ、ミュージカル、アクション、ラブストーリーと娯楽要素がギュウギュウに詰め込まれており見応え十分。冒頭に登場するせむし男の正体とか、ややトリッキー過ぎるし(時系列、ちゃんと合ってるかな?)、ベタな演出も気にはなるものの、とにかく次から次へと繰り出される圧巻映像に押されて最後まで飽きずに楽しめた。

何が凄いって、一つ一つのシーンの美術セット、きらびやかな衣装・へアメイクがとにかく豪華だし、中国の絵の具を溶いたかのような湖が点在する美しい名所・九寨溝やら桂林を舞台に大々的に敢行したロケ撮影も見応えあるし、CGやVFXのクオリティ、アクションシーンの迫力なんて「ミッション・インポッシブル」に引けを取らない程の出来映え。とにかく惜しみなく製作費を注ぎ込んでいるのが伝わるし、これぞ、本物のエンタテインメントなんだというボリウッド映画の真髄をうかがい知ることが出来る。

インドでの映画館入場料が幾らくらいなのか見当も付かないが、3時間強存分に満足できるんなら決して高くはない娯楽だろうな。

中国ロケの黒い瓦屋根が連なる家屋群の屋上で繰り広げられる、東京五輪でも披露されたようなBMX自転車を使った新しい形のアクション、クライマックスの走る列車の上で繰り広げられるフィストファイトとか凄かった。

ヒロイン役の女優は、やはりボリウッドが誇るスター女優だけあって、見とれてしまうほど美しい。対して、ボディビルダーから憧れのモデルのボディガード、そしてCMの相手役にまで抜擢される主演俳優は、まあ、確かになかなかの肉体美ではあるのだけれど、いかんせん、老け顔で、ぶっちゃけヒロインとは釣り合わず、敵役の本物の超イケメン俳優と比較しちゃうと、CMモデルのトップスターに上り詰めるって設定も無理あるけれど、それもまあご愛敬。

ボリウッド作品を見ていつも感心するのは、光や画面の隅々にまで散りばめられる鮮やかな色彩の使い方。

視聴中、登場人物が酒を飲んだりタバコを吸うシーンになると、画面左下に小さくおそらくヒンディー語でワイングラスやタバコの絵柄に×マークが表記されるテロップ表示されるのが最初は気になったが、これはおそらく、映画館で観客が喫煙したり飲酒しないことを注意する警告なんだろうな。これ、長尺のインド映画あるあるなのかな?
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