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王国(あるいはその家について)のレクのレビュー・感想・評価

4.4
言葉で表面化される世界、反復されるリハーサルの差異。
フィクションを積み重ね、突き詰めていくことで作られる"映画"を観て、我々観客はリアルを見出す。
この映画制作と観客による想像や解釈、フィクションとリアルの間に存在する省略された矛盾を見た。

繰り返される日常の些細な差異から人生とは何たるかを自問自答するホン・サンス監督にも通ずるテーマ。
本作はそこから、よりフィクショナルに、よりリアルに、映画そのものを逆説的に説き伏せる。
"映画は観る人によって完成する"を体現したとんでもない映画だ。
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