王国(あるいはその家について)の作品情報・感想・評価

王国(あるいはその家について)2018年製作の映画)

製作国:

上映時間:150分

3.8

「王国(あるいはその家について)」に投稿された感想・評価

hine

hineの感想・評価

3.0
64分版を鑑賞。
表情を凝視するカメラワークがとても良く、見入ってしまった。鑑賞者が、繰り返されるセリフにどんどん多面的な意味を(半ば勝手に)見出してしまう体験が面白かった。
フル版こそ真骨頂とのことなので、是非見ようと思う。
さくや

さくやの感想・評価

3.3
64分版のみでの評価。密度の高い時間を実際に見せてくれるのでなければ十分に成立する映画では無い、と言うか、リハーサルの編集で本編を構成すると言う極度にリテラリズム的な操作が行き先を失ってしまう。そのため、楽しく見れるが駄作だと思った。アフタートークで言い立てられていたほど難解な映画では無いと感じた。
七坂

七坂の感想・評価

3.3
私達の王国を思い出して。

劇中劇の再繰による俳優の役柄の生成と獲得を主軸に置いた本編は奇妙な筋書きで、言葉が領土を持って王国という共同幻想という形で結実するという観念的な着地点自体はかなり好ましく思える。リハーサルと称して5分程度のシーンを2.3度繰り返す事で、虚構の役柄が現実味を帯びていく過程は手に取るように分かるし、そこにこそ二人だけの独立した他者には理解できない世界の説得力があるのだと。途方もなく真摯な描き方だ。面白いと言うには気が引けるが王国というモチーフもそうなってくると的確で、それはまるで誰かを演じて世界を成立させる俳優その物の存在の象徴のようですらある。色濃い作家性と出逢うと心は踊るもので、監督の『螺旋銀河』も願わくば近日に目にしたいものである。
64分版を鑑賞。冒頭、幼馴染の子どもを殺した女性による供述書の読み上げ。ここだけだとちょっとドキュメンタリーみたいで「アングスト/不安」的な印象を受ける。
個人的にはこの時点でかなり楽しめていたら、その後は供述書の内容に沿って時間が遡り、幼馴染との対話の撮り方が新鮮。台本を読み上げている風景が劇中劇なのか、劇中劇の形式をとった心象風景みたいなものなのか。

更にリハーサルとしての台詞読み、演技として感情を乗せた台詞読みと同じ場面が少し形を変えて映し出されていく。
これは、人によって同じ事柄でも捉え方がこんなにも違うということを場面の反復によって表しているのかと思っていたら、役者のメタモルフォーゼの過程を撮ってみたらしい。リハーサルの場面は元々使う予定はなかったとのことで、上映後の草野監督のトークを聴いていると、物語性よりも役者とか生身の人間の影響を受けながら撮影していることに少し葛藤があるみたいだった。

フィクションを撮っていく上でもっと物語性にも目をやって、今の撮り方と折り合いをつけないといけないのかなって言ってたけど……そんなの全然気にしなくていいのにな〜!
物語の筋がはっきりした映画を撮りたいって思った時にそう撮ればいいだけで、このまま好きなように撮り続けてほしいなぁ。

この作品を観ていて、無邪気なエネルギーに溢れていた子どもの頃と、大きくなってからの人間関係の窒息しそうな窮屈さを感じた。大人って子どもより制約無い筈なのになんでこうなるんだろー。150分版もぜひ観たいな。
ニシ

ニシの感想・評価

-
まさしくこの作品って、映画見てる最中、これは何が行われて誰が何を思ってて考えててどうなるの?と目ギンギンになってるけど

後から考えたら、あれ楽しかったなって思うよね。
ossi

ossiの感想・評価

3.5
ある女が再会した幼馴染みの家庭で起こした事件の話。
構成が異色。ストーリーが直線的に語られるのではなく、半ばドキュメンタリー的に、俳優たちが同じ場面の台本を読みリハーサルを繰り返すことで演じる役を身に付けていく過程が描かれる。

子供の頃に幼馴染みと一緒にシーツと椅子で作った想像上の王国。
その幼馴染みが大人になって築いた家庭という王国。
2つの王国それぞれの心地良さと凶暴さ。

演じること。
何もない場所にシーツと椅子で王国を作ること。

64分版を鑑賞。
(上映後トークで、監督は64分版 も150分版も独立した作品だけどメインは150分版だと仰っていた。
これまでの制作作品で劇中劇的な形式を取り入れている理由として、映っている人間が何者なのか分からなくて鑑賞者が何を見ているのか分からなくなる映画を撮りたかった、というお話もおもしろかった。)
sugim

sugimの感想・評価

4.5
64分版を鑑賞。(150分版未見)
同じ内容の語りの反復によって、むしろその時、その場、その人が語ることの替えの効かなさが浮き彫りになる。

言葉が領土を持つという物語上での台詞が現実のリハーサル場面により説得力を増して、フィクションと現実が相互に強度を高め合っていく瞬間を体験した。

150分版も観たい……。
2回目 64分版 @新文芸坐

やっぱり面白くない。
渡邉寿岳の撮影は素晴らしいけど、リハーサル映像に映る画面は持続に耐え切れるだけの強度はない。
語り方が先行しすぎていて、イマイチ。
アフタートーク、進行による監督への答えの聞き出し方が映画を限定させすぎていて嫌でした。
虚構のなかで虚構が現実性を高めること、即ち言語からイメージへの移行が為されるにつれ、その虚構性が強まり、言語で成り立った彼女たちの王国が遠のいてゆく。64分版はそういうことが理論というかわかりやすい物語として語られていて、演ずることの生なましい事件性みたいなものはきっと150分版に委ねられているのだろうと思う、ので、150分版も絶対に観たい。
64分版を鑑賞。俺が観てない90分の間に何が起こってるのか。企画の試みが本当に面白い。
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