nanashi

王国(あるいはその家について)のnanashiのレビュー・感想・評価

4.0
反復される演技によって、映画と演劇の違いなど色々な差異について考えてしまう作品。読み合わせを繰り返す様子が何度も繰り返しカメラに収められ、観客も読み合わせに参加したかのような感覚になる。この作品内の時間は、本来作り手にだけ共有されていた創作のイメージが見えるようになる過程とも言えるかもしれない。

役者の稽古風景には登場人物の回想でもあり、単純だがメタな操作がなされている。回想・創作、ふたつの回路が作品内に同居しているのが奇妙で、感覚・知覚を刺激する実験的な作品。
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