AmanoJack

王国(あるいはその家について)のAmanoJackのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ぼくは映画制作に関しては完全に素人なので、俳優がセリフを読み込み、そこに感情や表情、身振り手振りが肉付けされていくことによって、最初と物語の印象が目まぐるしく変化していく過程に、純粋に感心してしまった。演技とはただ演じるのではなく、物語そのものを紡ぎ上げていくということなのですね。

俳優達のリハーサルが進むにつれて明らかになっていく、物語の主人公アキが幼馴染・ノドカの娘を橋から突き落として殺害した理由。彼女がかつてノドカと「物語の中にいるような密度の濃い凝縮された時間」を過ごしたのも、事件当日のような台風の日だったというのが象徴的。アキはノドカを家庭という名の「王国」から救い出し、子供時代の(ある程度美化された記憶としての)2人だけの「王国」を取り戻せると思ったのだろうか?やるせなさすぎる。
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