ジャッキーケン

ブラック・ミラー: バンダースナッチのジャッキーケンのレビュー・感想・評価

4.0
映画を超えた映画
ドラマの方の「ブラックミラー」ももちろん最高だと思ってますが本作も非常に「ブラックミラー」の1エピソードらしい皮肉の効いたショッキングな展開は息をつかせません。それ以上にNetflixのプラットフォームを活かし「ライフイズストレンジ」みたいな展開を一つ一つ視聴者に委ねていく映画館やDVDではできないことをやっていますしその選択肢一つ一つがもうめちゃくちゃ悩む!朝ごはんのコーンフレーク選びやどの音楽を聴くかの日常的な選択はまだ気軽に選べるのにキャラクターの生死が関わってくる大事な選択に本当に悩ませてくる。

気が利いてるのが間違った選択をしても物語の整合性を保ちながら時間を逆戻りしてくれるところであそこでこれを選んだらどうなるんだろうというゲーム的好奇心が湧いてきますしその願いを叶えてくれる。
凄いのが選択を決定した後の画面の切り替えの違和感が全く感じない。あたかも自分が選んだ選択が選択以前に既に展開として決まっているかのように映画として違和感なく進んでいく。

一流ゲーム会社に就職した少年が曰く付きの小説のゲームを作っていきだんだん精神が崩壊していく、主人公に容赦のないブラックミラーらしいストーリー展開
ついに映画の中の人物と第三者の僕らを繋げる本作以外の映画にはありえない展開は開いた口が塞がらない。

何通りあるのか分からないほど仕掛けられたオチの数々、たった一つの解釈で終わらずにメタ的、悲劇的、喜劇的、この映画に至っては正解のない映画だと思います。
2010年代に公開された映画の中で最も画期的な映画