「これは、あなたの選択により物語が変化するドラマです」
Netflixオリジナルシリーズ『ブラック・ミラー』の派生作品。
知らない人のために説明しておくと、『ブラック・ミラー』は近未来SFを題材にした1話完結のオムニバスドラマシリーズで、ダークで社会風刺的な作風が売りの作品です。
基本的にそれぞれのエピソードに繋がりは無いので、いきなり本作を観ても問題ありません。
この映画の特徴は、視聴者が物語の展開を決められること。
どこへ行くか、誰と会うか、何を話すか、朝食は何にするか、どの音楽を聴くか。
物語の中で主人公が岐路に立つたびに画面に選択肢が現れ、視聴者がどちらを選ぶかによって物語が分岐していきます。
映画館や地上波では絶対に真似できない、ストリーミング配信の強みを活かした非常にユニークな手法です。
映画というよりはゲームに近いかも。
分岐はかなり多いので、自分もたぶん全部は回収できていないと思います。
それでもいくつかのエンディングを見ることができ、新鮮な映画体験を楽しむことができました。
ただ、内容自体には首をかしげる部分も多いです。
『ブラック・ミラー』って毎回興味深いアイディアやテーマを提起してくれるんだけど、終わってみると「だからなんなの?」って感じるようなエピソードが結構多くて、本作も割とそんな感じです。
腑に落ちない展開も多く、選択肢によってはかなり突飛な結末を迎えることもあります。
システムや構成が目新しいというだけで、内容自体にはそこまで強い魅力は感じられませんでした。
しかしながら、このような「視聴者参加型」の作品というものは今後ますます洗練されて完成度の高いものが生まれていくでしょうし、その走りとして非常に価値のある独創的な作品だったと思います。
これから映画というものの在り方も少しずつ変わってくるのかもしれませんね。未来の映画が少し楽しみになるような映画でした。
Netflixに加入している方は一度チェックしてみてはいかがでしょうか。